毎年秋になると第2750地区米山記念奨学会では、米山奨学生達への日本文化体験研究旅行を企画しており、例年歴史の都市である広島、軽井沢、京都などへの一泊二日米山研修旅行を実施して来ました。
2021年10月30日、第2750地区(東京都)米山記念奨学委員会では「広島バーチャル研修旅行」を開催し、地区内米山奨学生ら約50人が参加しました。今年は新型コロナウィルスの影響を受け、日本文化体験をオンラインでのツアー開催となりました。そして、ロータリーが提唱する世界平和を願い、被爆体験講話をプログラムに入れました。
JTB様のツアープランナーのご案内により、ZOOMのバーチャル背景をバスの車内背景に変更し、紙のシートベルトをしっかり着用、美味しい広島特産品をもぐもぐと食べながら、広島市内観光から世界遺産である原爆ドームと平和記念公園を訪問し、フェリーに乗り、宮島商店街までとても楽しく心に残る旅を堪能しました。また、平和を祈り、折り鶴を作りたり、佐々木貞子さんの銅像(被爆の子の像)にも行ってみました。当日は土曜日ですが、学校の行事なのか、沢山の学生さん達が「被爆の子の像」と折り鶴について研修を受けている様子でした。そして、バスツアー中に広島に関するクイズを当てたりして、日本の文化歴史について楽しく勉強することも覚えました。
続けて、第2710地区諏訪昭登パストガバナーの被爆体験講話、大変辛い思いをされたと思いますが、ご自身の被爆体験や戦争の悲惨さ、そして、ロータリーが提唱する国際理解と世界平和、さらに、米山記念奨学事業の意義を語る感動的なもので、多くの参加者が真剣に耳を傾けて聞き入りました。何人かは涙を流しておりまして、ある奨学生からは涙が止まらなかったと言ってくれました。
最後に当地区米山記念奨学委員会宮崎陽市郎委員長より、戦争のない平和な世界の実現のために、母国と日本の懸け橋となる人材育成プログラムとして米山記念奨学事業が出来たこと、米山奨学生にとって一番大事なことは奨学期間が終わった後にどのような行動を行うのか、母国と日本の懸け橋になるために何か出来るのか、そのために行動すること、それが日本のロータリアンの願いであると米山奨学生に締めの挨拶をされました。
今回の広島バーチャル研修旅行を終えた後、奨学生より感想文が届きまして、いくつか紹介します。
「歴史教育は国によって違うため、戦争に対する国民の認識や感情も違います。母国を離れて日本にいる私が、歴史を正しく認識・理解し、友好な関係を築くための架け橋になることが重要である。」
「帰国したら日本語教師として中国の子供たちに自分が感じた真の日本を伝え、海の向こうにいる世界平和に向けて努力している方々が大勢いることを伝えたいです。」
「平和の時代に生まれた私たちは幸せですが、過去の歴史の中の戦争の悲劇を忘れてはいけないと思います。今回、平和の大切さをより深め、ロータリーの友情、寛容の精神を深く理解し、少しでも母国と日本との懸け橋になれるよう、そして世界の平和を守るように頑張っていくつもりです。」
私自身、元米山奨学生(第2640地区岸和田RC)で東京米山友愛ロータリークラブの創立メンバーとしてロータリアンになりました。今年度は地区米山記念奨学委員会学友委員会委員長を務めております。
現在、私達米山奨学生米山学友は、平和な日本で、素晴らしいロータリアンと出会い、「世界の懸け橋」としてロータリーが提唱する世界平和に向けて日本から世界へ発信しています。
私達ロータリアンは、一人でも多くの留学生を迎え入れ、平和を求める日本のロータリアンと出会い、国際理解を深め、仲良くなり、それこそが、米山事業によるロータリーの国際奉仕活動に繋がるのではないかと思います。
来年も多くの米山奨学生を迎えることを願い、米山寄付金地区目標に改めて使命感を感じた広島バーチャル研修旅行でした。
最後に今回のイベントを全力で担当してくださった同じく地区米山学友委員会の岡田敏江(東京中央新RC)さんに深く感謝申し上げます。
委員長 朴貞子